『背中』


01 キミの背中が泣いている
02 物言わぬ背中
03 手に伝わる背中のぬくもり
04 あなたの背中が微笑んだ
05 額を背につけて、言葉を零したら
06 遠ざかる背中
07 寂しそうな背中を抱き締めたい




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01.キミの背中が泣いている






声をかけることが出来なかった。
あまりにも悲しそうな後ろ姿だったから…

声をかけても、言葉が続かない気がして不安に負けて声をかけなかった。


だけど。

やっぱり、何でも良いから声をかけていれば良かった。
後悔するぐらいなら、声をかけておけば…



涙が止まらない
あの日、あの時あなたの背中が泣いていたのが脳裏に焼き付いて
思い出して、忘れられなくて、涙が止まらない。


結婚しました、というお知らせカードを受け取って。
あなたに好きだとも伝えられず…想いを伝える機会ももう無いだろう、だから最後にあなたを想って涙を流す。

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02.物言わぬ背中






怒ってる…
間違いなく、怒っていて原因も知ってるけど。

背を向けて、もう1時間以上も何も言わない。
寝てるんじゃないかと思うぐらい静かで。
話しかけても無反応。
もしかして、死んでるんじゃないかと心配にもなったけど、そんなことはないみたい。
さっき咳をしてたから。

怒ってるんだけど、謝るにもタイミングがあると思う。
今言っても、何も聞き入れてくれない石みたいだから。
後もうちょっと経ったら、石が人間になるはずだから、その時ココアを持って行ってあげたら、きっと話はしてくれるはず。

その時に、謝ろう。

そんなことばっかり考えていて、あぁ…反省してないってまた怒られるかも。

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03.手に伝わる背中の温もり






満員電車で、身動きが取れないほどの人の中で。
花見帰り。
あなたと二人っきり。

周りには人はたくさんいるから、背中にちょっともたれる形で私にとってはちょっとハッピーな時間。
電車に乗っている時間は10分ほどだけど。
本当はもっとべったりくっつきたい衝動を抑えながら、理性の手で距離を作ってみる。
手から伝わってくる温かさが、いつもなら嫌な満員も、今日は笑顔で許せるかも。

片思いのあなたとのちょっとした時間を。

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04.あなたの背中が微笑んだ






見慣れた姿を見つけたから、走っていって追いかけた。
追いついて、声をかけたらちょっと驚いた感じで振り返った。
あなたの姿を見つけたから、走ってきたのと息を切らして言うと、運動不足だね。って一笑された。

そうだねー運動しないとねーと言うと、いつもはあんまり表情の変わらない顔が優しいような、意地悪なような笑顔を浮かべた。
どうせ、三日坊主がオチだなってバカにするから、そんなこと無いもん。勝負だよと売り言葉に買い言葉。

じゃ、何賭ける? そんな流れで、家に到着。
自然な流れで送ってもらっていたことに気がついた。

ごめんね、ありがとうと言う前に、じゃと短く挨拶して帰って行く後ろ姿を見ていると、なんだか背中が笑ってるように見えた。

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05.額を背につけて、言葉を零したら






立ち去ろうとする、背中にすがりつく私。
その努力が無駄だと知っているのに、思うより前に体が動いた。

だけど、どうしても。
言葉が出ない。

やり直そうって言うのか

さようならって言うのか


まだ決められないよ

あなたは、もう決めちゃったんだよね


さようならって言うって。だけど、私はまだ…

「別れる前に、貸したお金返そうよね」



だから、そんなところが嫌いだってあなたはいうけど。

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06.遠ざかる背中






待ってと言いたくなるほど、どんどん遠くなるあなたの姿。
待ってと追いかければ良かったのかもしれないけれど。

出来なかったのは、臆病だったから?
人目を気にしたから?

あなたの後ろ姿を見ながら、見えなくなるまで見つめていて。

次に会えるのは…いつだろうね。




その時まで…ううん。多分ずっとの、さようなら…

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07.寂しそうな背中を抱き締めたい






仕事で大失敗してきたヤツの後ろ姿が、いつも以上にみすぼらしい。
最初はあきれて見ていたけど、だんだんものすごく哀れに思えてきた。
失敗することは珍しい事じゃないのに、こんなにへこんでるのは初めて見たかも。

ちょっとかわいそうになって来たから、後ろから抱きしめたくなった。


後ろから抱きしめてなんて言おうか。
「今日めちゃくちゃおいしいご飯つくってあげるから待っててね」

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